よくあるご質問

加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの目の病気について、患者さんからよくお寄せいただくご質問とその答えをまとめました。

加齢黄斑変性について

  • 加齢黄斑変性はどのような人がなりやすいのですか?原因はなんでしょうか?

    • 日本では50歳以上の80人に1人にみられ、年を重ねるごとに多くなります。ものを見る時に重要な働きをする黄斑という部位が、加齢とともにダメージを受けて変化することが原因で起こります。加齢だけでなく、喫煙や太陽光なども関係していると報告されています。
      加齢黄斑変性は誰でも発症する可能性のある病気です。50歳を過ぎたら定期的に眼科を受診し、早期発見・早期治療を心がけましょう。

  • 加齢黄斑変性はどのような症状があらわれますか?

    • ものがゆがんで見えたり、中心部が見えにくくなったり、ぼやけて見えるなどが主な症状で、放置すると進行します。ただし両眼でみていると、症状がでていることに気づかないことも少なくありません。はじめは片方の目だけだったのが両眼に症状が出る場合もあり、ついには失明に至る可能性もあります。

  • 加齢黄斑変性は治療できますか?病院にいかなくても治せますか?

    • 加齢黄斑変性には「萎縮型」と「滲出型」があります。「萎縮型」は黄斑の組織が加齢とともに萎縮することで起こりますが、進行はゆっくりで、急な視力の低下が少ないのが一般的です。
      一方、「滲出型」では網膜の下にある脈絡膜から網膜に向かって新生血管という正常とは違う血管が生えてきます。この血管はもろく破れやすいため、出血したり、血漿中の水分(浸出液)がもれたりしやすく、それが黄斑部の網膜の下にたまります。そのため、視野の中心部にある「見たいもの」が急に見えにくくなってしまうのです。
      比較的最近まで治療法がなかったのですが、特に「滲出型」に対してはいくつかの治療法が新たに開発されてきているので、適切な時期に治療を開始し継続できれば、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになってきました。
      ひとりで不安を抱え込まずに、眼科の先生に相談しましょう。逆に治療を受けなければ、病気の勢いが持続して網膜を傷めてしまいますから、視力低下が進行して、もとにもどらなくなります。

  • 加齢黄斑変性にはどのような治療がありますか?

    • 滲出型加齢黄斑変性に対して、現在行われている主な治療法は、次の3つです。
      どの治療法が選択されるかについては医師とご相談下さい。
      • ■抗VEGF薬治療

        滲出型加齢黄斑変性の原因物質のひとつであるVEGFのはたらきを抑える薬を目に注射します。新生血管の成長やそこからもれ出る血液中の水分を減らします。
      • ■光線力学療法(PDT)

        光に反応する薬を腕の静脈から投与し、弱いレーザーを照射して、新生血管を閉塞させます。
      • ■レーザー光凝固

        レーザー光線を、新生血管のあるところに照射します。新生血管の成長を止めることができますが、同時に網膜も凝固されるため、照射したところの網膜では、ものが見えなくなります。
  • 加齢黄斑変性を早期発見する方法はありますか?

  • 加齢黄斑変性は老眼とはちがうのですか?

    • 中高年になると水晶体の弾力性(ピント調節力)が弱まり、近くのものが見えにくくなるのが老眼です。これは誰にでも起こり得る目の老化で、病気ではありません。
      一方、加齢黄斑変性は見たい部分がゆがんだり、暗くなったり、ぼやけたりして見えにくくなる病気です。日本における視覚障害の原因の第4位です。
      「最近、見え方がおかしい」、「急に視力が落ちた」と感じることはありませんか。それは目の病気を知らせるサインかもしれません。老眼だから、と思いがちですが、見え方に変化を感じたら要注意です。片方の目をつぶってもう片方の目だけで見るようにして、左右の見え方が同じかどうか確認してみてください。

  • 加齢黄斑変性の治療期間はどのくらいですか?

    • 治療期間は病態や病気の活動性などによって人それぞれです。
      一旦症状がよくなっても再発することもあるため、定期的に検査と治療が必要です。気が付かないうちに病状が進行して、視力が低下したり、見えにくい範囲が広がったりするのを防ぐためにも、定期的な検査と治療が大切です。

  • 加齢黄斑変性ではどのような検査を行いますか?

    • 加齢黄斑変性を診断するため、もしくは治療の経過をみるために、主に次のような検査が行われます。

      • ■視力検査

        指定の距離から、視力検査表を片眼ずつ見て、どの大きさまで見えるか調べます。見えにくい場合は、検査表に近づいて測定します。
      • ■眼底検査

        目の奥に光をあてて、網膜を直接観察します。網膜の血管の様子、黄斑部の出血や滲出の有無を見ることができます。
      • ■蛍光眼底造影

        蛍光色素の入った造影剤を腕の静脈から投与して、眼底カメラで眼底の血管を観察します。脈絡膜新生血管の形や位置、血管からの血液中の水分のもれ具合などがわかります。
      • ■光干渉断層計(OCT)

        網膜は層構造になっていますが、それが保たれているかどうかを断面で観察する検査です。網膜のむくみや網膜の下の脈絡膜新生血管の有無、滲出の有無がわかります。

糖尿病網膜症について

  • 糖尿病網膜症はどのような人がなりやすいのですか?

    • 糖尿病患者さんの約20%は、糖尿病網膜症にかかっています。糖尿病患者さんのうち、どのような患者さんが糖尿病網膜症を発症しやすいかには以下の3つの点が関係しています。

      • ・血糖値が高い(以前は高かった)

        血糖コントロールが悪い人は網膜症になりやすく、かつ、進行しやすいと言われています。
      • ・糖尿病歴が長い

        糖尿病が5~10年で網膜症の発症は急激に増加すると報告されています。
      • ・血圧が高い

        高血糖と高血圧は互いに悪影響を及ぼし合います。

      糖尿病と診断されたら眼科を受診するようにしましょう。

  • 糖尿病網膜症ではどのような症状があらわれますか?

    • 糖尿病網膜症は、糖尿病で血糖値が高い状態が続くことにより起こる合併症で、三大合併症と呼ばれる代表的な合併症のひとつです。
      長い期間、血糖値の高い状態が続くと、網膜にはりめぐらされている細かい血管(毛細血管)が傷ついたり、つまったりして、網膜の血流が低下します。それを補うために網膜に新生血管が生じます。病気の初期~中期には自覚症状がほとんどあらわれず、視力にも影響がみられないことが多いのですが、病気が進行して新生血管が生じると、破れて出血をおこし、かすみや黒いかげなどが見えるようになります。
      網膜症の合併症として、「糖尿病黄斑浮腫」という病気があります。これは網膜の中央にある「黄斑」という部分にむくみ(浮腫)が起こる病気で、視界がかすむ・ゆがむ・かけるなどの症状があらわれることもあります。

  • 糖尿病網膜症は治療して治る病気ですか?どのように治療しますか?

    • 糖尿病網膜症は初期の段階で発見できたら、血糖コントロールで進行を最小限にくい止めることができます。
      中期になっても、光凝固術というレーザー治療で著しい視力低下や失明する可能性を確実に減らすことができます。手術で、出血や新生血管膜を取り除いたりすることもあります。
      末期まで病気が進んでしまったら、手術をしても日常生活を支障なく過ごす為に必要な視力の回復は得られないことがあります。(治療法については医師とご相談ください。)
      発見された時点で治療を開始しても手遅れだったということが珍しくありません。自覚症状のない段階で早期に発見し、早期に治療を開始することが重要です。

  • 糖尿病網膜症を早期発見する方法はありますか?

    • 糖尿病網膜症は、自覚症状がないまま危険な状態に進んでしまいかねない病気です。「糖尿病と診断されたら眼科受診」、自覚症状がなくても「少なくとも年1回の眼科」、そして「早期発見」を目指しましょう。

  • 糖尿病網膜症はどのような検査を行いますか?

    • 糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫を診断するため、もしくは治療の経過をみるために、主に次のような検査が行われます。

      • ■視力検査

        指定の距離から、視力検査表を片眼ずつ見て、どの大きさまで見えるか調べます。見えにくい場合は、検査表に近づいて測定します。
      • ■眼底検査

        目の奥に光をあてて、網膜を直接観察します。網膜の血管の様子、出血や網膜のむくみ(黄斑浮腫)の状態を見ることができます。
      • ■蛍光眼底造影

        蛍光色素の入った造影剤を腕の静脈から注射して、眼底カメラで眼底の血管を観察します。毛細血管のつまりや、網膜新生血管の有無、新生血管からの水分のもれ具合などがわかります。
      • ■光干渉断層計(OCT)

        網膜は層構造になっており、その層構造を断面的に観察する検査です。網膜のむくみ(黄斑浮腫)の状態がわかります。
  • 糖尿病になると、誰でも糖尿病網膜症になるのですか?

    • 糖尿病になると誰でも糖尿病網膜症になる訳ではありませんが、血糖値が高い(以前は高かった)人や、糖尿病歴が長い(5年以上)人、血圧の高い人は糖尿病網膜症を発症しやすいといわれています。

一般的なご質問について

  • 黄斑(眼底)の病気になると日常生活へはどのような影響がありますか?

    • 視力低下が進行すると、たとえ片方であってもさまざまな影響が生じます。
      例えば、人の顔が判別しにくい、文字が読めない、食材を上手に切れない、など病気の進行によって日常生活に悪影響を与えます。また運転にも支障を来す可能性があります。
      これからも毎日の生活を楽しむために、定期的な検査と治療を続けていくことが大切です。

  • ゆがんで見える・目がかすむ・視野の一部が欠けるなどの症状が出る病気にはどんなものがありますか?

  • 予防と進行を遅らせるためにできることはありますか?

      • ■加齢黄斑変性

        加齢黄斑変性は年を重ねると誰にでも発症する可能性がありますが、発症のリスクを高めるのは、加齢だけでなく、喫煙や太陽光なども関係していると報告されています。これらのリスクを高める要因を避けることは、加齢黄斑変性の発症を予防し、進行を遅らせると考えられています。
        また、発症や進行を予防するために、有用と考えられている栄養素があります。
      • ■糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫

        血糖値を良好に保つことや血圧のコントロールを積極的に行うことなどが挙げられます。
        糖尿病と診断されたら眼科を受診し、医師の指示に従って定期的に眼科の診察を受けましょう。
        詳しくはこちらをご覧ください。
  • 治療にはどのくらいの費用がかかりますか?

    • 目に注射をする治療の場合は薬の費用が、レーザー治療の場合は、手術として治療費がかかります。医療機関や薬局の窓口で支払った金額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額(自己負担額)を超えた場合には、その超えた金額を支給する高額療養費制度があります。
      自己負担額は個人の状況によって異なりますので、確認してみましょう。

  • 受診の際に事前に準備しておくことはありますか?

    • 特にご用意いただくことはございません。
      (※病院によっては紹介状が必要となる場合がありますのでご注意ください。)
      眼底検査を行う場合は瞳を広げますので、数時間見にくさが続きます。ご自身で車を運転して来院されることはおやめください。

      加齢黄斑変性、糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、病的近視における脈絡膜新生血管について相談できるお近くの眼科を検索して受診しましょう。

  • どこの病院でも治療できますか?

    • 加齢黄斑変性、糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、病的近視における脈絡膜新生血管について相談できるお近くの眼科はこちらから検索できます。

L.JP.MKT.OP.04.2016.0742

監修 兵庫医科大学 眼科学講座 主任教授 五味 文 先生